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コラム・弁護士

 
   

離婚弁護士?

師岡 康子

2005年7月

 私は、以前、家事事件を主要に扱う法律事務所にいたこともあり、離婚事件は多数経験し、常時数件はかかえており、それだけが専門というわけではないが、「離婚弁護士」ともいえるかもしれない。
  先日まで、「離婚弁護士」というなかなかおもしろいテレビドラマが放送されていたが、このドラマの作成にあたり、私のところにも取材が来て、いつもどんな服を着ているのか、どんなかばんを使っているのか知りたいといって、写真を撮っていった。そのとき見せてもらったドラマのコンセプトの中に、弁護士の中で、渉外弁護士が弁護士の中のピラミッドの頂点のエリートであり、離婚を扱う弁護士は底辺、と書かれていた。なるほど、世間的にはそのように見られているのか、と思った。
  確かに、離婚事件は、特に結婚生活が長い場合など、長年にわたる積年の怒りを依頼者から聞くことは不可欠であり、また、女性の依頼者は、夫から、物理的・精神的暴力や兵糧攻めなどの嫌がらせにあっている人が多く、ほとんどの場合、精神的な痛手をフォローしなければならず、そういう意味では、離婚事件の解決には、膨大な時間と精神的エネルギーが必要とされる。その割には、報酬が多くない場合もある。
  また、離婚事件は、当事者が極めて感情的になりやすく、女性の代理人として徹底的に闘い、女性の側に有利な判決を勝ち取った結果、相手の男性から、逆恨みを受けることも少なくない。特に、DV加害者の男性は、自分のことを加害者と自覚できていない人もおり、客観的にみれば理不尽なその怒りを妻やその代理人に直接的暴力や、脅迫電話、インターネット上の誹謗中傷などでぶつけてくることもある。しかし、時に逆恨みを受けることも、これも、人間関係のこじれているところに関わるのが仕事の弁護士にとっては、避けられないことであろう。
  弁護士の仕事の一番の喜びは、共感できる依頼者に対し、自分の専門的な技能により力になることができ、依頼者から感謝されることだと思う。離婚事件で納得いく解決をみいだすことができ、喜んでくれた依頼者の方たちの数々の顔を励みに、今後も取り組んでいきたい。
 

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