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コラム・弁護士

 
   

洗濯はのびのびと

清水 淳子

2021年5月

弁護士 ・ 清水 淳子

どこのアンケートか忘れたが、「好きな家事は何ですか」の質問に対する答えの1位は料理、2位は「洗濯」だった。 料理は「想像力を刺激される」とか「作ったあとにおいしく食べられる」といったところが人気らしい。ま、たまにおいしくないこともあるが、食べてしまえば後に引きずらないところもいい。

そして2位が洗濯。シミズ的にも洗濯は2位だ。

ちなみにシミズが好きな家事ランキング1位は皿洗い。短時間で成果が見えるから。冬場はヒビ・アカギレが悩ましいが、春になればさほどでもなくなるのでやっぱり1位としたい。

そして2位の洗濯。洗濯は、最初に洗濯物を放り込んで洗剤や柔軟剤をセットしたら、あとは洗濯物を干すだけ。肝心の洗濯は全部洗濯機がやってくれるのがいい。

いや、待てよ。タオルもパンツもTシャツも、洗ってるのは洗濯機だ。シミズは洗剤で泡まみれになることはおろか、手を濡らすこともTシャツに触ることもない。洗濯機のピーヒョロヒョロ♪を合図にいそいそと洗濯物を干すだけだ。そんなヌルイことで偉そうに「洗濯をした」なんて言っていいのだろうか?

とはいえ、たらいに洗濯物を入れて川まで行って、洗濯板でせっせとゴシゴシする気にはならないから(河川の水質汚染につながって国土交通省のお役人にシバかれるしね)、これ以上は追及しないことにしよう。ヌルくて結構!今日から「へなちょこ洗濯野郎」と呼んでくれ!

かように今どきの洗濯機は洗濯からすすぎ、脱水までほったらかしでよいので、ホントにありがたい。

ちなみに昔の洗濯はたいへんだったのだよ。さすがのシミズも洗濯板で洗った経験はないが、1槽式で洗濯機の横に麺のし棒みたいなのがついていて、のし棒で洗濯物を絞るやつはギリ使ったことがある(分からない人は「洗濯機」「昔」「1槽式」で画像検索してみてほしい)。たいして水気は取れず、手で絞るのと大差なかった。そのうち2槽式が出てきて、「洗濯機が脱水してくれる!!!」という画期的な進歩に驚いたものだ。

今や洗濯・すすぎ・脱水、ついでに乾燥までがひとつの洗濯槽で済んでしまう。「1周回って1槽式に戻ってきた」ということだ。この「1槽式への回帰」の先にあるのは、やはりあの麺のし棒か? 何に使うんだか分からないが、どうせならきっかり1周、のし棒付きで戻ってきてほしいものだ。

例えば洗濯槽の内側に穴のあいてない洗面器みたいなものを取り付ければ、うどんやパスタが打てるだろう。そうしたら麺のし棒は文字通り、うどんをのして、スパゲティを作れる。「洗濯したらお昼はおいしいうどんが食べられる」という寸法だ。日曜日はおしゃれに「ラザニャでブランチ」だ。

蒸したもち米を投入してグルングルン回せば、餅だってつける。麺のし棒の位置を調整すれば、のしもちになる。つきたてのお餅が一年中楽しめる。こんなに喜ばしいことはない。

どうしても食い意地が張っているので、食べもの方面にばかり気が行ってしまうが、洗濯が終わった洗濯槽にキツキツに巻かれたカレンダーを入れて30分くらい待ち、麺のし棒で伸ばせば、クルンと巻き上がってしまうカレンダーもスッキリまっすぐだ。まだまだあるぞ。子どもにあげるお年玉用のピン札がない!なんてときも知らんぷりして洗濯機を回して麺のし棒で伸ばせば、銀行でもらってきたばかりのようなピカピカのピン札になること間違いない。まあ、こんな用途年に1回しか使い道がないけれど。

かように洗濯機の進化は目をみはるばかりだが、どっこい洗われる服のほうも着実に進化してきている。

昔のセーターなんて、一回洗うと子供服並みに、子供のセーターならぬいぐるみ用くらいにサイズダウンしたものだ。ところがいまのセーターは、縮みはするけど、半分のサイズになることはほとんどない。理由は、…すまん、分からない。

おっかなびっくり洗濯しなきゃならないウールを駆逐する勢いで登場したのは平成生まれのフリースだ。モフモフで、軽くて暖かくて、洗濯機で洗えて、干せばすぐ乾くという優れモノだ。「二番じゃダメなんですか?」と言った蓮舫さんはウールかシルクか高級なんとかコットンしか着ないイメージだが、思い切って「フリースじゃダメなんですか?」と声をかけてみたい。

温暖化とはいえやっぱりそれなりに冷える冬だって、ほにゃららテックを着込めばダルマみたいに重ね着しなくても薄手のダウンジャケットでしのげる。 これぞ温暖化だぜ、と言わんばかりの灼熱の夏だって、昔は木綿のシャツがべったり張り付いて不快なうえに動きを鈍くさせたが、今はほにゃららリズムのおかげでシャツが張り付くこともなく、軽快に活動できる。

そんな機能性に加えて、クリーニング屋さんに出さなくていい、おうちで洗える服も増えた。ピロピロしたブラウスや、仕事してます感を醸しだすジャケットも、「家で洗えます」とうたっているものがたくさん並んでいる。むかしクリーニングに出したスーツが「剣道部の部室か!?」みたいなにおいになって返ってきたことがあり、仕方がないので「自宅でドライクリーニング」洗剤を買ってきておそるおそる家で洗ったことがある。クリーニングから戻ったスーツなのに泥水が出て、結局2度洗いした。あれは悲しい思い出だ。「家で洗える」のポイントはかなり高いのだ。

こんな機能性衣類が増えたおかげで、自宅で洗濯する洋服は格段に増えたと思う。なんでも洗濯機にポンポン入れて、あとはお任せですっきりきれいに洗いあがるなんて、本当にありがたい。

が、ここで大きな落とし穴があることに、気が付いているだろうか?

「ネットに入れて洗ってください」

ピロピロしたブラウスやジャケットなんかは手洗いだから、ネットもへったくれもないが、最近の洗濯機仕様の衣類のほとんどは「ネットに入れて洗ってください」と表記されている。

冬の必需品○○テックも、長らくそのまま洗濯機に放り込んでいたが、パッケージの裏に「ネットに入れて洗ってください」と書いてあるのを発見してからはネットに入れて洗うようにしている。それまでぞんざいに扱っていたババシャツも、ネット・ユーザーと分かったとたん、ちょっとお上品なマダムに見えてくるから不思議だ。

「もしや?」と思って○○リズムとかモフモフのフリースとかも確認すると、やっぱり「ネットに入れて洗ってください」と書いてあった。

ガーン|||||||( T∇T) T∇T) T∇T)|||||||

今まで知らなかっただけで、ホントはネットに入れなければならない洋服が山ほどあるのだ。

なんてあたたか! なんてサラサラ! なんて軽い! そんな服はもれなく「ネットに入れて洗ってください」と書いてある。そんなバカな?と思うなら見てみたまえ((= ̄^ ̄=)=3

そう分かると、手洗いがやめられない恐怖症と同様、「ネットに入れて洗ってください」恐怖症だ。いちいち裏返してタグの表示をチェックする洗濯表示チェッカーに変身だ。 気にして確認するようになると、意外なものがN指定(←「ネットに入れて洗ってください」を指してみた)されている。

最初の衝撃はバスタオルだ。大きなバスタオルに「ネットに入れて洗ってください」と書いてあった。有名ブランドでも何でもないタオルなのに、なんとエラそうなことか。

ちょっとこじゃれたTシャツにもN指定がされていた。これはバスタオルと違ってなんとなく理解できた。実はこれまで「Tシャツ」と「カットソー」の違いがどうしても分からなかったのだが、「ネットに入れて洗ってください」チェックを経ることで、ネットに入れなければならないのがカットソーで、ネットに入れなくてもいいのがTシャツと分類できた。長年の疑問がここにきて氷解した。ありがとう!N指定!

「ふぅーん」は枕カバー、シーツ、布団カバー。冬用の厚手の布団カバーなんて、かさばってネットに入らんわ!

「なんじゃそりゃ?」は靴下だ。きさま、靴下の分際で…(←時代劇のえらそーなお代官風に)。なぜかさっぱり分からない。靴下よ、おまえもか!?と語りかけても返事はない。(当たり前だ)

ともかく、「ネットに入れて洗ってください」製品のなんと多いこと! 言われたら無視するのも気が引ける小心者のシミズ。圧倒的にネットが足りないので、100円ショップでいくつか買い足して、せっせとネットに入れて洗うようになったさ。

そんな「ネットに入れて洗ってください」帝国の支配に抵抗するすべなく服従したシミズの洗濯機は、ご想像通り、大小のネットばかりがグルングルン回り、いったい何を洗濯しているのか分からない状態だ。

今日もネットに入れられ窮屈な思いをしている洗濯物から、「自由」「平等」「博愛」を叫ぶ声が聞こえる(気がする)。

やっぱり洗濯物にはのびのびはつらつ顔を見せて洗濯されてほしい。

次の洗濯機の課題は、ネットに入れなくてもネットに入れたのと同じ効果を得られる「ネットに入れて洗う」モードの開発だ

 

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