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コラム・弁護士

 
   

どうも

清水 淳子

2023年3月

弁護士 ・ 清水 淳子

どうも!
もう5年くらい「杉エキス錠をベロの下に置いてアレルギーを軽減していく」という舌下療法をやって、かなり効果を感じつつも、昨年秋にも鼻がズビズビし、「スギ以外には効果がない」と聞かされ愕然としたシミズです。
スギのピークは過ぎたようですがヒノキが飛び始めたみたいで、とめどなく流れる鼻水をかみつつ、鼻が詰まって口呼吸の今日この頃、みなさんは鼻呼吸できていますか。

さて、今日もはりきって花粉が飛んでいるようだ。
天気が良い日ほど池のコイのように口をパクパクさせつつ、駅まで自転車をこぐ。最寄り駅までまずまずの距離があり、「健康のため歩いたほうがいい」と言われるのだけれど、根性なしのシミズは毎日ペダルを踏んで駅まで向かうのだ。帰りにスーパーの買い物をかごに入れて帰れるのもチャリ通勤のいいところ。大根や牛乳を担いで家まで帰るのはしんどいっす。

そう、シミズはよく自転車に乗るので、多少の距離なら自転車で行くことになる。チャリンコならいつもと違う隣町のスーパーにも気軽に買い物に行けるのだ。
そんな「そうだ、隣町に行こう」♪タラーラ タラーラ タラーラ タラ〜
とチャリを走らせていたある晩のこと。

ちなみにシミズの自転車はママチャリだけど3段変速とちょっぴりスポーツ仕様になっている。
仕事帰りの夜道なので横道からの飛び出しや足元の犬なんかにも気を配りつつ、でも人通りがないので、2速の通常スピードで走っていた。すると後ろから「タッタッタッタッ」という規則正しい音が近づいてきた。「ブー」とか「ヒューン」ではないからクルマではないし、「バウーン」とか「ブルルル」ではないからバイクでもない。それまでに聞いたことのない音だった。

なんだ!?宇宙人か!?シミズはUFOにさらわれてしまうのか!?にしても何の特技もない中途半端なオバサンをさらって、宇宙人、何が面白いんだ!?
ドキドキしながらギアを3速に入れ、ペダルを踏む足に力を入れた。
しかし3速もむなしく、「タッタッタッタッ」という音は次第に大きくなり、音源は確実に近づいていた。三段変速の自転車では逃げ切れない謎の未確認走行物体。あ、UFOじゃなくてUnidentified Mobile Object, UMOか。うーむぉ…。
「ヤバイ、捕獲される!!!」
と心の準備をする間にも「タッタッタッタッ」の音は背後に迫り、
「是非に及ばず( ̄_ ̄; ) なむ〜」
と思った瞬間、視界に入ったのは宇宙人ではなくトレーニングウェア姿の若者だった。
「へっ!?」と驚いて瞬きする間に若者はあざやかにシミズを抜きさっていった。
そう、「タッタッタッタッ」の正体は、陸上か駅伝か知らんがトレーニング中の若者だったのだ。
はいー!?こちとら自転車なんですけど!?3段変速のトップギアで走ってるんですけど!?
などと恨み言を独りごちたが、若者の耳には全く届いていなかっただろう。若者の背中はあっという間に「タッタッタッ」という乾いた音を残して夜の闇に消えていった。
こげ!こぐんだ!ジョー!
そう自らを鼓舞してみても、3速のペダルは重すぎて、燃え尽きた太ももはペダルを踏む力は残っていなかった。
歯が立たない
Teeth don't stand.
完敗だった。

自転車でヒトに抜かれるとは…。超本気モードの3速なのに、学生さんのランニングにあっさり負けるという現実を目の当たりにして、もう若くないってことだなー、と肩を落としたシミズであった。

にしても、ランニングの足音が分からなかったとは、ニンゲンの耳は、TPOごとに判別できる音を限定しているようだ(単にシミズの耳が悪いだけか?)。
あの「タッタッタッタッ」を昼下がりの高校のグラウンドで聞いたなら、さすがに怖いと思うことはなかっただろう。
満場のホールの拍手は台所で聞いたら、かき揚げをあげてるように聞こえるそうだ。
かわいいワンちゃんが、「フンッ」と鼻息を鳴らしながらシャクシャクご飯を食べる音も、オフィスで聞こえてきたら、「変な生き物がいる!」と身構えるハズ。
某コンビニの♪チャリラリララ〜ン、チャリラリラ の音が病院の玄関で流れてきたら診察を忘れてチキンを探してしまいそうだ。
電車に乗っていて急に華厳の滝みたいな滝の音がしたら、結構なパニックになると思う。あ、シミズは浴びに行きたくなってソワソワするかな。
車で走ってるときに、後ろから救急車のサイレンならぬ牛の鳴き声が聞こえてきたらどうだろう。
遠くで
ムオォォォォォ〜〜〜〜〜
だったのが、5秒くらいで
ムオォォォォォ〜〜〜〜〜
になったら、どうだ? かなり怖いんじゃないかと思う。とりあえず牛と想像できる人は少ないに違いない。
学生だったころ、友達の家の留守番電話に「おかけになった電話番号は、現在使われておりません。」と入れたら、怖くはなかったようだが翌日叱られた(声でバレたのか、そんなことするのがシミズくらいだからかは不明)。

TPOにそぐわない音にビックリしてしまうのが、先入観によるものなのか、先入観を通り越して偏見によるものなのか、はたまた単に油断しているからなのか。いずれにせよ大なり小なり警戒心を生じさせるものだが、心頭滅却すれば火もまた涼し、の境地に至ったら、フラットに足音は足音、拍手は拍手、牛は牛、と聞き分けられるようになるのかもしれない。

そういえば
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき(猿丸太夫)
という百人一首の和歌があるけれど(春なのに秋のうたって…すみません)、シカの鳴き声ってニンゲンの悲鳴に似ていて、これをちゃんとシカと聞き分けた猿丸太夫は、心頭滅却できていたのかもしれない。何やってた人か知らんが、猿丸太夫、あなどれない。

そして今日も心頭滅却とはほど遠い雑念いっぱいでチャリを走らせるシミズだ。さすがに「タッタッタッタッ」にはもう驚かないだろうけれど、「ムオォォォォォ〜〜〜」が迫ってきたらビビるだろうな。

 

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