コラム・弁護士

２０１１年１０月現在、欧州が大変なことになっている。ギリシャが借金まみれになって、このままだと国債の償還ができなくなり、そうなるとリスク承知で大量のギリシャ国際を保有している欧州銀行がエライことになるのだ。のみならず、影響は世界中に波及しつつあり、東京都在住の弁護士Ｓさんの保有株式にも大打撃を与えている。Ｓさんは、「勘弁してくれよホントにもう。オレなんか普段贅沢しないのに…。」と毎日嘆いているそうだ。

事態収拾のポイントになっているのは、欧州第一位の経済大国ドイツであるが、自分の身銭を切ってギリシャみたいなチャランポランな国を救済することに反対論が根強く、意思統一に苦労している。そしてもう一つ、経済的には特段問題ないが、大量の国債を発行しているために、「ギリシャの次はポルトガル、それからスペイン、あら？　もしかしてフランスまでも？　ウソーン。」と不安の連鎖が玉突きになって、少々雲行きが怪しくなってきているフランスだ。

しかし、欧州の指導者も手をこまねいているだけではない。全く実りのなかったＧ８、Ｇ２０に危機感を感じ、ドイツのメロメロ首相（女性）、フランスのサルノコージ大統領（女たらし）、ギリシャのパンパンドレー首相（この人よく知らない）が、ここ西新宿小田急ハルク１階の喫茶室ルノアールで極秘会談を行うこととなったのだ。そして、当事者同士が話をすると、いわゆる「売り言葉に買い言葉」となり、混乱が大きくなるため、中立国日本から弁護士Ｓさんが司会兼ＳＰとして参加することになった。

以上のように、Ｇ８、Ｇ２０に引き続き、東京は西新宿での極秘三者会談も混乱しただけで不調に終わった模様である。現状では全く予断は許さない。一国が破綻するという事態も高い確率で考え得る。１０月の第６回目融資が無事履行され、１月までの間、欧州貧乏国救済スキームが策定されることを、Ｓ氏のみならず、切に望む。