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コラム・弁護士

 
   

わたくしとバレエ

鈴木 周

2012年2月

弁護士 ・ 鈴木 周

わたくしは昨年8月にバレエを見に行った。わたくしの顧問先である某会計学校の協賛で、某バレエ団が行った公演を見に行ったのである。その会計学校は、一番偉い方が某バレエ団の活動を応援しており、何年かに一度、冠スポンサーとなって公演を行うのだが、その都度、チケットを送って頂くので、ありがたく鑑賞させて頂いている。トンと芸術に疎いわたくしであるから、最初は行っても退屈ではないかと思ったが、これが案外楽しく、一流のダンサーの華やかな舞台を楽しませて貰っている。

ちなみに、それら公演には、これもまたわたくしの顧問先である某ゼネコン関係者も招待されている。私も含め、スポンサー特権で前から3列目くらいのとてもいい席を取ってくれるのはいいのだが、バレエ関係者と思しき細身でオシャレな美男美女に交じって、強面のゼネコンオヤジと弁護士がずらりと並ぶことになり、さながら劇場内のブラックホールのようである。

昨年の演目は、「シェヘラザード」であった。いわゆるアラビアンナイト、千一夜物語である。この時は、「ご家族もどうぞ」ということだったので、喜んで女房と娘(5歳)も連れて行った。が、なにしろ娘は5歳なので、事前にストーリーを説明しておかないと、単に男女が踊り回っているとしか理解できず、船をこぐだけならまだしも、退屈で騒ぎ出し、周り善男善女のヒンシュクを買う恐れがあった。

そのため、娘にストーリーを予習させ、いまどこの場面で何をしているのか、またどこが見せ場なのか、ということを予め説明しておくことにした。それで、インターネットを調べて、シェヘラザードのあらすじをまとめたのだが、これがもう、なんというか、メチャクチャなお話しで、原稿を書くのに往生した。最初は子供用にと思って、遠慮して書いていたのだが、次々と疑問が浮かび、その度にツルツルと筆が滑ってどんどんアダルト化し、最終的には「大人のためのお色気お笑い童話」といった代物になってしまった。

文中にある、「イチャイチャ」とは、まあ、ご想像にお任せするが、よく芸能ニュースなどでやっている、暗中で大勢の男女が、その、なに、というようなことですよ。分かるでしょう。それと、文中の「イケメンの家来たち」というのは、本当は、黒人奴隷のことですよ。王妃様が黒人奴隷と暗中でその、なに、ということで、王様が怒って刺し殺してしまった、というお話しですよ。

なお、「黒人奴隷」はパンフレットでは、はっきり書くのが憚られたのか、ランクごとに「金の黒奴」「銀の黒奴」などと書いてあり、最初は「? 金のくろやっこ? なにこれ、芸者?」などと、ワケが分からなかったものだ。よく考えてみれば、世界中で公演されてきたのだろうし、そうなると黒人の観客も見にくるんだろうから、当然である。ちなみに金の黒奴役のダンサーは、モンゴルの国立バレエ団のエースが演じており、跳躍力、演技力ともにさすがと思わせるものがあった。

〜 バレエ版 シェヘラザードあらすじ 〜

主人公シャリアール王は、ある日、田舎でプチ王様をしていた弟に会いたくなって、お妃や家来もつれてノコノコ出かけていきます。それを聞いた弟は、「こりゃ大変だ。エライ兄貴がやってくるぞ。」とばかりに、たくさんのお土産を持って城を出て、途中まで迎えに行きます。

ところが、途中で「おっと忘れ物だぜ」と気づいて、部下どもを残して一人で急いで城へ取りに戻ります。城へ入った弟は、なんと愛する奥さんや召使の女どもが、自分がいない間にイケメンの家来たちと楽しく遊んでいるのを見てしまい、「オレがいないからってみんなで仲良くイチャイチャしやがって、ゆ、許せん。」と怒り、全員切り殺してしまいます。ちょっと、というか、すごいやりすぎですね。

弟は、ショックのあまり食事もとれず日々具合が悪くなっていきます。シャリアール王が城に着いたとき彼はすっかり衰弱していましたが、兄である王にその理由を話す事はありませんでした。身内のことで恥ずかしかったのでしょうか。シャリアール王も、行ってみたら弟の奥さんも召使もいないし、さぞかしおかしいとは思ったはずですが、特に詮索はしなかったようです。

そんな弟の城でも、どういうわけか王は楽しく過ごしていました。ある日、王は狩にでかけましたが、具合の悪い弟は「兄貴、一人で行ってくれよ。」と言い、城に留まります。そうしたら、なんと、王の留守中に、お妃とその召使たちが同じ様にイケメンの家来たちと仲良くイチャイチャし始めたではありませんか。こないだのイケメンどもは皆殺しになってるわけだから、全員違う人たちなわけですね。かなり強引な展開ですね。

しかし、弟は自分の奥さんだけでなく、エライ王の奥さんまでそんなことしているのをみて、「所詮、女はそういうもんなんだ。」と納得し、逆に元気になって、イキイキと目が輝き始めました。なんだかもう私ついていけません。

そこに狩から戻った王が、不思議に思い、「おう、ずいぶん元気いいじゃないか。どうしたんだ。」と不思議になり、元気になった理由を尋ねます。弟は、よしゃいいのに、自分の妻との間に起こった事と、王妃たちのことを話しますが、王は「ンナ、バカなこと言ってんな」と納得しません。そりゃそうでしょう。

そこで、弟は、「アニキ、そんじゃ狩に行ったふりをしてみなよ。」と王をたきつけ、それを聞いた王は、また後日狩りに出かけます。現代社会でも探偵さんがよく使う手です。「奥さん、お友達と温泉旅行に行って御覧なさい。その間、必ず浮気しますから。現場おさえますよ。」という手口です。

そして、狩りに行ったふりをした王が、不意に城に戻ったとき、見たのは…以下同文。
王は、その場で王妃と召使を全員殺し、以来、女を信用できなくなってしまいました。世継ぎを作るために、毎晩娘を娶り一夜過ごすのですが、朝までに発作的に殺してしまうのです。一刻も早く心療内科で診てもらうべきです。あるいはスポーツで発散すべきです。 

やがて、献上する娘達が尽きてしまった大臣が「うわー、もう町には娘っこがいないわーい」と苦悩していると、大臣の娘のシェヘラザードが健気にも「お父様。私に行かせてください。」と言い出します。このあたりは呂布と貂蝉のパターンと同じですね。

王は、美しいシェヘラザードを一目見て見初めますが、またまた発作をおこし、殺しかけてしまいます。が、シェヘラザードは美しいだけでなく賢い女でした。身に危険が迫ると「王様、ちょっと待って。ウフフ。」と楽しい、魅力的な話を聞かせ始めるのです。そして、毎日、「ウフフ、今日はこれでお・し・ま・い。」として、いいところで終わりにしてしまうのです。たとえば主人公が巨大クジラの口だと分からずに「お、奥にうまそうなものがあるぞ。」と入って行ってしまうとことか(これは私の想像です)。このスキームはとてもうまくいきました。毎晩、王様は、「ウオー、殺したいーっ! が、続きを聴きたいのじゃー!」と苦悩し、結局シェヘラザードを殺すことができなかったのです。

このようにして、シェヘラザードが王様に聞かせたお話しが有名なアラビアンナイトです。千一夜物語とも言います。震度バット、おっと濁点忘れるとエライ変換ミスになりますね、シンドバッドやアラジンの冒険ものが中心です。

余談ですが、シェヘラザードは、千一夜、つまり3年弱の間、王様にお話を聞かせ、ついに王様の心を解放することに成功します。が、その間になんと3人の子宝に恵まれていたのです。これには私もw(゜ロ゜;w(゜ロ゜)w;゜ロ゜)w。3年で3人という非常に厳しいローテーションを組み、かつ昼間は子供の世話、夜は王様のお相手と、24時間フル稼働です。大したカウンセラーだったと言えるでしょう。

これがシェヘラザードのお話です。バレエのシェヘラザードはこの序文のやり取りの一部を取り上げたものになりますから、シェヘラザード本人は出てこないかも知れません。華やかなお城の情景、官能への誘惑、そして繰り返される悲劇、そういった中世ヨーロッパ上流階級の娯楽を、けして疑問を留めることなく、受容し楽しむ、というのが本来の鑑賞の仕方かもしれません。

 〜 あらすじ終わり 〜 

おお、そうだ、アラビアンナイトで思い出した。アリババと40人の盗賊の中で、昔からおかしいおかしいと思っていたとこがあった。それは、アリババの女房が、ポットに入った熱い油を、大きな壺に隠れた盗賊にかけると、「盗賊たちは次々と声も出せずに死んでしまいました。」というとこである。これはもう大昔から「んなワケないだろ。ポット一杯で40人じゃ、一人頭大さじ一杯くらいだろ。それじゃ『音もなく死にました』どころか、40人が40人、『ウオー、アチーっ! 何すんだーっ!』って大騒ぎになるだろうが。」と思っていた。そう思いませんか? 人に言えてなんだか少し楽になった。

 

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