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コラム・弁護士

 
   

MutualUnderstanding

清水 淳子

2005年9月

弁護士 ・ 清水 淳子

私は学生時代に英語会、いわゆるESSというサークルに所属し、スピーチ・セクションで厄介になっていました。

スピーチのテーマによく取り上げられたのが、タイトルの”MutualUnderstanding”、つまり「相互理解」です。国家間の戦争から友人同士のいさかいまで、お互いに対する理解不足から始まるんだから、理解するところから始めましょう、という、当たり前ながら日ごろ忘れがちなテーマです。

なぜ今頃になって学生時代のことを思い出したかというと、いわゆる「カルチャーギャップ」というものを感じることが多くなったせいかもしれません。

若い人たちと話しをする分には、たまに何言ってるのかさっぱり分からなくなりつつ「今風の感性なんだなぁ」と新鮮に感じるだけですが、外国の人と接すると、ときおり「どうして???」とどうしても理解できないことがあったりします。例えば刑事事件でバッチリ証拠が出ているにもかかわらず否認する人などはかなり存在します。どうやら「証拠が上がっているのに認めないなんて往生際が悪い」という感性は世界共通ではなく、「証拠があろうがなかろうが、自白なんて自殺行為だ」という考えのほうが相当ポピュラーらしいです。

ですから、そういった場合は「やったことは正直にやったと言って、きちんと反省したほうが、日本ではいいよ」としつこく説明するのですが、これが結構難儀です。彼ら/彼女らにしてみれば、私が「どうして否認するかな?」と思うのとまったく同じように「何で認めなきゃいけないの?」と思っているわけで、唯一頼れる弁護士がしつこく言うからその通りにしようかとも思うけれど、一方で「本当にそれでいいの?」ととても不安になっていることでしょう。私だって「バレバレでも絶対否認しろ」とアドバイスされて仮に否認したら、たぶん内心ずっとモヤモヤだろうと思います。理解しろって方が土台ムリな話でしょう。

アメリカのように司法取引の制度があればまだ理解しやすいのでしょうが、日本の場合「正直に認めれば許してやる」などとはどこにも書いていないため余計に理解しにくいし、説明もしづらいのです。

首尾よくお国に帰った人たちは、日本のことをどんな風に思っているのでしょうか。「ヘンな国だった。」と家族に話しているのでしょうか。願わくば「でもいい奴らだったよ。」とその後に続くことをせめて期待しつつ、今後も「相互理解」に努力することに致しましょう。

 

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