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コラム・弁護士

 
   

盆踊り≪la danse au BON?らだ〜んすおぼ〜ん≫

清水 淳子

2013年8月

弁護士 ・ 清水 淳子

お盆の帰省ラッシュで「東名高速は30キロの渋滞」なんてニュースを見ると、「夏休みも終わりだなぁ」としみじみした気分になる。猛暑のせいで休めないエアコン工事屋さんやビール屋さん、皮膚科のお医者さんなどを除き、社会人のほとんどは夏休みが終わったところではないだろうか。

さて、先週自宅の近所では夏祭りが開催されていた。名のあるお祭りではなく、街角に「○月○日○時〜 △△祭り開催」という地味なポスターで宣伝される程度のこじんまりとした町の夏祭りだ。ポスターと言うより「告知文」にイラストが付いたと言った方が正確か。広くもない公園に特設舞台を作って、太鼓1つ置いて、大音響で東京音頭や花笠音頭を流し、周りには焼き鳥や焼きそばにビールの屋台が並んでいる、そんな基本に忠実な「町のお祭り」だ。

ベッドタウンで住民だけは多いため、どこからともなくワラワラと人が集まり、狭い場内はごった返し。たいそうなにぎわいだった。

私の子供の時分は近所の友達おおぜいで繰り出し、音楽が鳴りやむまでワイワイ踊ったものだ。銀行や信金の人は、若い人もお腹の出たおじさんも、おそろいの浴衣を着て、銀行の名前の入ったうちわを帯に差して参加していたものだった(うーん、懐かしい)。

でもいまどきは事情が違うのか、子ども同士ではしゃいでいる様子はほとんど見られず、親御さんと一緒にやってきて、かき氷を食べながら行儀よく遠巻きに盆踊りを眺める子供が多い。なんでだろう?お友達塾とかに行っちゃってるのかな?

そんな「人はいっぱい集まってるけれど、みんなお行儀よく見てるだけ」なお祭りが盛り上がるのか? 我先にと踊りの列に割り込んだ子供のころには想像もしなかったが、「誰も手を出さない」お祭りと言うのは結構イタイものだ。

そんななか気を吐いたのは昔ながらの主催者・商店街の人たち(たぶん)だ。お祭りの始まる前からキリッと浴衣を着て集まった店主さんや二代目若旦那、おかみさん方は、お囃子が始まると円を作って、踊り出した。きっとこの日のために公民館とかで日夜練習を続けてきたんだな。踊りを知らない人でも覚えられるようにだろう、若干オーバーアクション気味で。見物客がみーんな、ビールやかき氷を片手に遠巻きに眺めている中、なぜかドヤ顔で東京音頭やナントカ音頭を踊り続けていた。

楽しくてやってるんじゃなくて、盛り上げようとしてやってるんだろうな、痛々しいな、と思って踊りの輪から視線を外し、屋台で焼きそばとビールを仕込んで戻ったときに目に飛び込んできたのは、ちょっと不思議な光景だった。キリっと浴衣を着た「主催者側」の人に交じって、「Tシャツに短パン」「タンクトップにジーンズ」みたいな「ちょっと立ち寄った」的な人が輪に入って、隣の人を真似て踊っているのだった。お世辞にも踊りがうまいとは言えない。隣の人を見ながら踊るからワンテンポ遅れるし、ときどき全く真似られてなかったりして、見物客を大いに楽しませてくれている。どうも「見てるうちにウズウズしてきて、踊りは知らないけど、つい輪に入ってしまった」という感じだった。

普段着の人が混じり込んだことで、敷居が一気に低くなったということだろう。気合を入れて浴衣を着てきた人や小さい子供など、次々と輪に入ってきて、てんでばらばらの踊りの輪になってきた。服装もばらばら、踊りもばらばらで、間隔もまばらだったり詰まってたり、とても自由な盆踊り大会だ。ただみんな一様に楽しそうに踊っているのだ。開始当初の絵にかいたように整然とした盆踊りから、あれよあれよと言う間にとても自由な盆踊りらしきダンス大会になり、なんだかキツネにつままれたような不思議な光景だった。

そもそも盆踊りと言うのは、お盆で実家に帰省した死者と一緒に盛り上がる催しだったか?こういう「なんでもあり」な盆踊りならご先祖様も紛れ込みやすいかもしれない。
焼そばをほおばりながら、こんな様子を目の当たりにできて、ビールが10倍おいしかったのは言うまでもない。

何十万人、何百万人集まります、なんてお祭りはもちろんよい。きちんと運営されていてムダがなく、必ず楽しめる。でも地元の人たちが作り上げる手作り感の残るお祭りも同じくらい楽しい。このグズグズ感、ライブ感あふれるお祭りこそ、連日の熱帯夜で夏バテ気味の心と体を癒してくれるのではないだろうか。

幸せな気分で会場を出ようとしたら、関係者テントで一仕事終えた「主催者側」だんな連中が焼き鳥やビールで盛り上がっていた。一般客の踊り手が入るとともに、こっそり輪から抜けてきたようだ。これも「ならでは」のライブ感というものだ。だんな方、おかみさん方、お疲れさまでした♪

 

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