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コラム・弁護士

 
   

ゲリラ豪雨と全能のオバサン

清水 淳子

2019年7月

弁護士 ・ 清水 淳子

今年のお花見は、さくらが咲き始めてから散るまで気温があまり上がらなかったおかげで長く楽しむことができた。特にお花見にも行かなかったが、通勤途中や裁判所その他への移動中いろんなところでお花見できた。ナマケモノに優しいお花見月間だった。

そんなお花見シーズン2019が終わったとたん、うんざりするほど暑かったり、長袖着てても鳥肌がたつほど肌寒かったり、いつにもましてエルニーニョ感の強いお天気が続き、いよいよ梅雨に突入した。

話はそれるが最近「エルニーニョ」を耳にしないが気のせいか。あれほどエルニーニョ、エルニーニョと天気予報のお兄さんお姉さんが連日大騒ぎしていたのに。平成の初めのころは、天気予報のみならずニュースにも登場し、アナウンサーが「今日のエルニーニョはハワイオアフ島に上陸し、カメハメハ大王没後100周年記念式典に特別招待客として参加しました。」みたいにエルニーニョ氏の動向を語ったり、「ついでに妹のラニーニャもこの度ホリプロからデビューしました、ヨロシク」と騒いだりしていたのに、ブームが去ってしまったかのようにその名前を聞くことがなくなってしまった。一発屋芸人のような凋落ぶりは胸が痛くなる。20年ぶりにブームがきている自由が丘の「タピオカ」さんに復活の秘訣を聞いて、華麗におしゃれに復活してほしいものだ。

 

さて、話は梅雨に戻り、雨降りである。

雨の日の持ち物・履物は悩ましい。靴底まで皮の靴なんて絶対無理。水分を吸ってフニョフニョになり、ドラえもんみたいな足のかたち通りに変形してしまう。

いつぞやおろしたてのサンダルを履いて帰りにゲリラ豪雨に見舞われたときには、迷わず駅で靴を脱ぎ、裸足で帰った。急に大雨が降ってきたときの駅は、だいたい帰ろかな、帰るのよそうかな♪(=小降りになるまで待とうかな)という通勤通学客でごった返している。そんな老若男女を横目で見ながら、東京アメッシュをチェックだ。広範に広がる紫〜赤の豪雨雲を確認し、少なくとも20分は雨足が弱くなることはないと予想したシミズは、靴を脱ぎ、レジ袋にいれてカバンの中に収め、敢然と歩きだすのだっ。「あら、あのオバサン靴脱いじゃったわ」と横目で見られていたのはシミズの方だったかもしれない。まあいい。

ただ、やってみてひとつ言えるのは、「裸足で帰る」のはやめたほうがいい。これを読む人も少なければ、やってみる人はもっと少ないだろうが、念のため注意喚起しておく。

雨水で濡れた道を歩くのは、プールの授業を終えて更衣室に行く途中の校舎脇と同じ感じだ。足の裏のゴツゴツザラザラとした何とも言えない感覚は懐かしくもスリリングだ。しかし、そこは学校内でなくただの道、何が落ちているか分からない。酔っ払いが落としたビール瓶がボーリングのピンのように並んでいるかもしれないし、美容専門学校生が練習用に持ち歩いているマネキン(首だけのやつ)が道路から生えているかもしれない。雨の中散歩に連れ出されて道端でモヨオした犬の○○○が雨水で道路の真ん中に運ばれているかもしれない。それにアスファルトは基本ザラザラだが、横断歩道など塗料が塗られたところはゲリラ豪雨のときにはとてもすべりやすい。裸足で雨の中を歩くというのは、「何を踏むか分からない」「どこで滑るか分からない」という危険と隣り合わせのスリルとサスペンスに満ちた大冒険なのだ。

そんなスリルとサスペンスの道のりを越え、ようやく家にたどり着くと、今度は「土足で家に上がれるか」問題が生じる。バケツのようにチャプチャプになっても靴を履いていれば、靴を脱ぐ=土足ではないので、びしょびしょの足跡をつけながら家に上がることができる。ところが、裸足で歩いて帰ってきた足は、文字通り泥にまみれた「土足」である。一回洗うなり丁寧に拭くなりしなければ「土足」のままなのだ。そして我が家だけかもしれないが、玄関にタオルなどない。「どうだ!裸足で帰ってきたぜ!」と意気揚々帰ってきたにもかかわらず、テンションだだ下がりなのだ。ちなみにその夜のシミズは窮余の策のハンカチで足を拭いて玄関を上がった。テンション下がることこの上ない、あ、「この下ない」か。

 

ともかく、ものすごく雨足が強くても裸足はやめたほうがいい、というのが「裸足で帰宅」を経験したシミズの結論だ。

ではどうするか。究極の解決策がある。長靴だ。ちかごろめっきり市民権を得ているようじゃないか。

シミズがまだ会社員だった室町時代、ゴム長靴と言えば、幼稚園〜小学生くらいの子どもか、築地市場や町のお魚屋さんといったおさかな関係、ひねったところで動物園の飼育員くらいしか履いている人はいなかった。高校生以上はたとえ靴の中がグジュグジュになって、歩くたびに靴の中からプチュー、プチュー、と水が噴き出しても、革靴で頑張ったものだ。

しかし平成の30年でこの図式は過去のものになった!

大人でも、おしゃれなOLさん(この表現がすでに古い…)でも、長靴で出勤している。長靴で電車に乗り、長靴でオフィス街をカッポカッポ言わせながら闊歩している。

しかも「白」とか「カーキ」だけでなく、「ピンク」とか「オレンジ」とか「花柄」とか「シマウマ柄」とか、「ポップ」で「カラフル」なおっされ〜なゴム長靴も多い。

あ、もしかしてゴムじゃないのか?こっちも流行の「シリコン」とかなのか?おばさんには全く追いつけない。もういいよ、ゴムだってことにしておいてよ。

 

ともかく、「裸足で帰宅」に懲りたシミズは、海より深く反省してゴム長靴を手に入れた。「流行には周回遅れで乗る(結局乗りそびれることもある)」シミズも、いよいよ長靴デビューだ!さあ、これでどんなゲリラ豪雨もへっちゃらだ。雨よ降れ、風よ吹け!嵐よドーンと来い!

そんなシミズの期待を感知してか、先日、観測史には載らないが、それなりの雨が降った。「バケツをひっくり返した」は大げさだけれど、「バケツを蹴飛ばした」くらいの雨だ。

新兵器を手に入れたシミズの待ちかねた瞬間だ。

出かける用事もなく、出かける必要もなかったのだけれど、なんとなく「コロッケが食べたい」気分だったので、「コロッケを買いに」出かけることにした。

理由をつけなくてもよいのだろうけれど、いい大人が「大雨なのにあえて出かける」には相応の理由が必要だ。コロッケが大人の相応の理由になるかどうかは別として、とにかく雨足が弱まる前にコロッケを買いに行かなければならなかったのだ。

 

早速新兵器を装備する。

玄関の上がり框にどっかと腰を据え、膝までの長靴をはく。ズボンのすそを丁寧に長靴の中に収める。そして長靴の上の部分の紐を引いて巾着のようにぴっちりすぼめれば準備完了だ。

「アムロ、ガンダム、行きまーす」とつぶやいてから出かけるのは我々の年代のお約束だ。

 

足を踏み出した瞬間違いが分かる。ダバダ〜♪

雨がかかろうが、水たまりを歩こうが、靴の中は快適、濡れる心配はゼロ。水たまりに突っ込んでも靴の中はサラッと快適、パンパースをはいた赤ちゃんのお尻のようだ。

足を踏み出す先を気にする必要がないのが、これほどの解放感だとは知らなかった。

余りの解放感で、何なら傘もささなくていいくらいの気分だった。さすがに差したけど。

でもって、傘に強く打ち付けるバラバラという雨音をしばらく聞いていると、まるで滝に打たれているような滝行気分をもたらし、「般若波羅蜜多心経〜♪」なんてモゴモゴつぶやくと、何とかドラッグでも飲んだような解放感に包まれる(言っておくが飲んだことはない)。頭がクリアになって根拠のない全能感を覚える感じ(繰り返すが実際に飲んだことはない)。

メチャクチャ豪雨のとき限定で、山奥に行かずして滝行ができると思えばよい。

そして、天上天下唯我独尊、必死でよけていた水たまりは、よけるどころかむしろ「ワタクシが降臨してやろうじゃないの」とはまりに行くところになる。
ひゃっほーい\( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄O ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)/ 全能の平民(タミ)に怖いものはなーい、大きな水たまりもへっちゃらさー、なんくるないさー、と次々水たまりを見つけてははまりに行くようになる。

もうかなり危ない人だ。

直径3メートルにも及ぶかという巨大水たまりを見つけた日には、気分は水曜スペシャル、巨大アナコンダを探せ!一直線にほとんど小走りで進む。
ドッシャー、バッチャー………………ン?

 

気が付くと水たまりの向こう岸で学校帰りの小学生がドン引きした視線でこちらを見ていた。

 

マズイ、他人様に泥水をひっかけることになったら、オトナとして面目が立たない。踏み出した足をそっと下ろし、すごすごと水たまりを避けて、ただのアスファルトを大人しく歩いて、コロッケを買いに行ったさ。オトナはつらいよ。

 

というわけで、今回も何のオチもない、「ゲリラ豪雨の日に長靴履いて出かけると楽しいぜ」レポートでした。

お経の一本も暗唱できるようにしておくと滝行気分が味わえておススメだよ♪

 

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